山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会

造園と建築

当山荘の設計は、すべて高谷宗範自らおこなったもので、土地の高低を考え、百分の一の模型を作り、建物を建て、池泉を掘り、樹木を植え、石を配した庭園です。その基本は、方円の考えに基づくものです。「心は円なるを要す、行いは正なるを要す」心は円満に丸く行いは常に正しく四角く、という考えに根ざしており、その思想は随所に現れています。小間の茶(草庵式)のみではなく、広く一般の人が楽しめる広間の茶(書院式)を広めようと考えて建てたものです。書院には書院式の庭園を、小間の席には草庵式の庭をもち、それぞれに主景、借景となるように工夫した庭園です。

配置図・施設概要

山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会
大門 大玄関 中玄関
正面の入口にあたる門で宗範自らの字で 南嶽 の額を掲げています。松殿山荘に続く道が方円を表しているところが見られます。
江戸時代の豪商天王寺屋五兵衛の屋敷の玄関を移築したもので、靴脱ぎの石も大阪より移設しました。額の字は宗範のもので大工中川徳一が彫刻したものです。
方円の組み合わせによるもので、屋根と入口、天井にも具現しています。 電灯のシェードが円、取り付け部分は四角、その外は丸、一番外は四角の組み合わせです。
 
山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会
大書院 中書院 中書院控の間
東向き30畳の広間です。迫り上げ格天井で鞘の間は26畳在ります。額は宗範78歳の字であります。床柱は天王寺屋五兵衛の居宅の大黒柱を削ったもので鴨居は節無しの五間通しの栂材を使用しています。
東向き10畳次の間8畳を持つ茶室で、脇床にかすみ棚を持っています。別名瑞凰軒といいます。1925年(大正15年)9月25日スウェーデン皇太子妃来荘のとき、お休みいただいたことによります。庭正面の三日月形の石は嵯峨天皇ご遺愛の手水鉢と伝えられています。
皮付の赤松を床柱にした二重床を持つ八畳の茶室です。廻り縁天井中央は網代に組立変化をつけています。
 
山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会
中書院控の間II 眺望閣 天五樓
ちょうなではつった床柱と縞柿の床框を有する六畳の部屋と同じく六畳の次の間を備えた茶室です。 18畳の茶室で、立礼を楽しみながら比叡山、上醍醐寺、五雲峰、二上山、生駒山、石清水八幡宮、大山崎、京都西山、桃山御陵、愛宕山と見渡せます。
天王寺屋五兵衛の大広間を移築したものです。床柱を北山丸太に新しくしています。砂魚粉仕上げの欄間は男波と女波の透かしがあります。
 
山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会
楽只庵 不忘庵 九垓盧
大阪の茶室7畳を移したもので、その床柱は蔵の轆轤であったものです。
三畳台目の貴人にじり口を備えた小間の茶室です。
八畳孟宗竹を床柱にし三方が開けた茶室です。天井中央に杉材をふたつに引き割った板を使い、廊下の手摺は松竹梅で出来ています。
 
山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会
文房室 好古庵 申々居
硯、筆、紙等を展示できるように工夫を凝らした部屋です。
四畳半の茶室で欄間に亀甲竹を使用しています。 スウェーデン皇太子妃来荘のとき、宗範自ら献花、献茶をした茶室です。
 
山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会
主人室 蓮斎 撫松庵
宗範が日中使用していた八畳の部屋です。 円池の上に建てた八畳書院で唐物机を床に使用し床柱は塗仕上げです。
御影より移築した草庵式の茶室です。三畳台目席で金閣寺夕佳亭を模した南天の床柱と貴人床の在る茶室です。
 
山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   写真は準備中です
春秋亭 さん松庵 西書院
太鼓胴張りの塀に囲まれた茶室で新緑、紅葉の時期が映えます。床柱は欅で、外回りの柱は桜、楓の自然木を使用しています。 庭に杉、松を植えた草庵式茶室です。天王寺屋五兵衛の茶室を引いてきたものです。 別名夫人室といい小玄関のほか台所、浴室等も付属します。
 
山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会
聖賢堂 天満宮社 筆塚
聖堂すなわち奥の丸堂には聖徳太子、釈迦、孔子を、賢堂手前の角堂には茶に関係した利休、遠州等三十六賢人を祭ってあります。 宗範の誕生日が25日であることから菅原道真公をまつり鎮守の社としています。 松殿山荘の中心であり、宗範の使った筆を供養しています
 
写真は準備中です   写真は準備中です   山荘の紹介|財団法人松殿山荘茶道会
仙霊学舎 修礼講堂 松殿の土塁
稽古席で八畳の書院、三畳台目席、四畳半の好文亭席があります。 茶礼の講演会、卒業式等を行います。 関白藤原基房の屋敷をかこっていた土塁を残しています。

配置図

松殿山荘配置図

施設概要

広さ=約120,000平方メートル(36,000坪)
庭園=約10,000平方メートル(3,000坪)
建坪=約3,300平方メートル(1,000坪)
席数=17席